<すきま>
絆固しそ思いしは錯覚かすきま風吹く秋冷の朝
田舎屋の雨戸のすきまに光り射し壁に描きし景色なつかし
<赤>
雨の中ぬめぬめ光る石楠花の花弁の赤が情を煽る
雨上がりそぞろ歩きの道端に散り敷く赤き実ヤマモモ赤き実
高知市が戦災にあった夜でしたあの空の赤は私のトラウマ
<たまねぎ>
たまねぎを剥き続ければ無に終わるあなたの心はどこまで剥けるや
子供らに涙の理由知らすまじ母の意地なりたまねぎ刻むは
<使>
使われる身は艦隊の輸送船今日より我はヨット独り旅
衣替え使い古しの衣数枚今日こそ捨てむと思えどえ捨てぬ
<スプーン>
手も老いぬスプーン持つ手が無意識に開きて床にチャリンと転がる
引き出しの奥に見つけしスプーンは子ら幼き日の三つ股スプーン
<種>
独り旅淋しかろうと皆言えど話の種を捜さぬ気安さ
この種は遺伝子組み替え得たるもの播くか播かぬか思案難し
<週末>
週末を楽しみにした時代過ぎ週末のごとき日々の反復
孫たちのサッカー試合あるという爺婆気をもむ週末の空
<握>
指に余るバット握った幼き日あったでしょうね一郎さんにも
釣りに行く夫に握るむすび二個のどかな朝です高齢夫婦
<スポーツ>
スポーツは見るものなりと思いこみ生きし年月不燃焼の人生
ご贔屓の球団負けし翌朝はスポーツニュースを毛嫌いする人
<温>
温もりを求めて集う老人会七夕の短冊それぞれに書く
校庭の日溜まりベンチに寄り添いて心温めし友疾く逝きぬとぞ
<一緒>
枷のある身なれば一緒にいるときの心の温もり秘めて戻らむ
夕飯を一緒に食べつつドラマ見て犯人挙げるこれボケ防止よ
<吹>
ここ三浦風の道なりゴーゴーと春風吹けば情(こころ)荒ぶる
台風が実る稲穂に吹きし度風追いの呪文祖父は唱えぬ
It was the old night
when KOTI city suffered war damage .
The sky was red all night .
We were lookinng it at NIYODO riverside
where we took refuge from blaze .
That burning red has been my trauma
from that night .
"すきま、赤、たまねぎ、、、、、(題詠2007-2)"へのコメントを書く